そして多くの音楽ファンが気になるのは『My Love Is Your Love』でしょう!この曲を作曲したのがスティーヴィー・ワンダーですから。まずノリが最高ですね。泥臭くないコケティッシュなグルーヴなのですが、ドラムの音は少し埃っぽく絶妙なファンキーさを加えています。明るい光が射してきて、思わず笑顔になってしまうようなメロディもまさにスティーヴィー。少しタイプは違いますが『After You Put Back The Pieces』も埃っぽい、ファンキーさを漂わせるドラムが曲を甘く流れさせない役目を果たしています。
また『It’s A Good Feeling』のウキウキする弾むビートもいいですね。『My Love Is Your Love』やこういう曲のこのスタイリッシュなビートがモッズの心を捉えて離さないのだと思います。
そして最後を締めくくるのがアルバム・タイトル曲にして、これまで何度カバーされたか分からない永遠の名曲『The Tears Of A Crown』です。サビの切な過ぎるメロディと繰り返される印象的なフレーズ、そしてノリノリのリズムという要素が奇跡的に組み合わさった名曲!何度でもリピートしたくなる、魔術的な魅力を持つ曲です。
1967年リリースの彼らの最高傑作『涙のクラウン』。ドリーミーでキラキラしたジャケットが示す通り、とろけるような甘い歌声とメロディで夢の中へ連れて行ってくれる作品です。しかし、そこはモッズに愛されたアルバム。ただスウィートなだけではありません。例えばスティーヴィー・ワンダーが作曲した『My Love Is Your Love』は、タイトなリズムでグルーヴしていくノリノリのナンバーですし、タイトルからしてダンス・ナンバーな『Dancing’s Alright』。重めのドラムが曲に勢いを与え、さらにスモーキー・ロビンソンも熱のあるヴォーカルで盛り上げる最高にホットな仕上がりです。