レミー・シャンド!!!何年ぶりにこの名前を聞いたでしょうか。今でも忘れられないデビュー作の衝撃。02年にリリースされたレミー・シャンドの1st『The Way I Feel』は、ベスト・バイという家電量販店でありながらCDも安く取り扱う店に$6.99というビックリするくらいの値段で並んでいました。まったく彼についての知識はありませんでしたが、ジャケットが気になって買ってみてビックリ。超良質のソウル・アルバムでした。こういった作品を説明するときに“スティーヴィー・ワンダー”の名前が頻繁に引き合いにだされ、陳腐な表現になりかけているのは重々承知しているのですが、それでもスティーヴィーの名前を出したくなるようなクオリティだったのです。
今年5月17日に発表されたのは、先日他界したドナルド・バードの『Where Are We Going』でした。とろけるようなオルガンが印象的な、しなやかで濃密なソウル・ナンバー。前作と比べると音の湿度が上がったように感じます。そしてこれが最高に気持ちいいのです!
その後96年から97年にリリースされたという『Springtime』や『Song for Mark Gonzales』をリリース。『Springtime』は亡き母親に捧げられたという祈りにも似たバラードで、ピアノの弾き語りでありながらとんでもない密度を感じさせる名曲で、『Rollergirls』はPVで見られるように80年代のサウンドを意識して作られている、レミーとしては珍しい感じの曲なのですが、それでもしなやかなソウルというレミーの世界はまったく崩れていません。