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10cc - 『10cc』、『Sheet Music(シート・ミュージック)』

ウィットに富んだユーモア全開で、10ccがある意味最も10ccらしかった初期2作が再発!


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10ccを代表する曲といえば、現在でもフェイヴァリット・ソングの投票をするとイギリスでは間違いなくトップ5に入る至極の名曲『I’m Not In Love』ですが、その『I’m Not In Love』を収録した3rdアルバム前の10cc、つまり1stと2ndはあまり広くは聴かれていない感じがします。この初期2作は、実験的でユーモアに溢れた作品で、ある意味最も10ccらしかったと言えるのではないでしょうか。

例えば72年にバンドの1stシングルとしてリリースされた『Donna』。もう出だしは間違いなくビートルズの『Oh! Daring』でしょう。そこから50年代のドゥー・ワップ調に曲が展開していくあたりにやりとさせられます。この曲もそうですがヴォーカルでフィルセットを多用しており、この辺りもおふざけ感がありますね。

2ndシングルとしてリリースされたのは『Johnny Don’t Do It』で、この曲もドゥー・ワップ調なナンバーですが『Donna』と比べるといささか凡庸な印象を受けます。チャート・アクションも鈍くヒットとはなりませんでした。

それに続いて3rdシングルとして73年にリリースされたのが『Rubber Bulets』です。この曲は10ccらしい捻ったメロディとコーラス、そしてロック的な勢いが組合わさったナンバーで10ccに初の全英1位をもたらしました。この曲でもかなりギターを聴くことができるのですが、このギター・サウンドは重みがなくて個人的には好きではありません。ロルのフィルセットのヴォーカルや遊び心いっぱいのサウンドとの相性を考えると的外れな意見かもしれませんが、いつも聴くたびに残念な気持ちになってしまいます。

そのあとにシングル・カットされたのは『The Dean And I』で、この曲は全英10位まで上がっていますね。その後『Headline Hustler』がシングル・カットされています。

それらのシングル以外では『Sand In My Face』が好きですね。出だしの雰囲気たっぷりのサウンド、掛け声のようなコーラス、中盤での台詞のようなヴォーカルからのオペラ的な展開とまるでサウンドトラックのように聴くことができます。

アイデアを詰め込んだやりたい放題の、いい意味でB級感たっぷりの作品で、こういう音楽を楽しめるようになるとかなり幅が広がると思える作品です。

そして74年にリリースされたのが10ccにとって出世作となった『Sheet Music』シート・ミュージック)』です。この作品は全英チャート8位、全米チャート81位と成功を収めたというセールス的な側面だけでなく、ケヴィン・ゴードフレイがこの作品をフェイヴァリットに挙げ、またグラハム・グルードマンはこの作品を10ccのベスト・アルバムに挙げています。06年のインタビューではケヴィン・ゴードフレイが「私たちは創造性を追求し、全く限界を感じなかった」と述べており、このレコーディングがいかにクリエイティブなものだったかを伝えています。

実際に『シート・ミュージック』は大成功をおさめ、全英チャートに6ヶ月の間居座り、74年のアメリカ・ツアーへの道を開いた作品となりました。

1stシングルとなったのはセルフ・パロディのような『The Worst Band In The World』。そして続いてシングル・カットされたのが『The Wall Street Shuffle』です。この曲は独特のリズムとメロディをもつベースが曲をリードしていくという10ccの定番スタイルを確立したナンバーといっていいでしょう。一筋縄でいかないメロディもさすがブリティッシュ・ポップ職人です。




これらの曲以外で私が好きなのは『Hotel』。馬鹿らしいくらい能天気なメロディとサウンドが南国をイメージさせる空間を一瞬で飛び越えさせてくれる痛快なナンバー!

Clockwork Creep』は“時計仕掛けの”という言葉が入っている通り時計をイメージさせるせわしないリズムが面白いナンバー。音の遊びも随所に挿入されており何度聴いても飽きません。

ポップな曲調から突然ハードになり、さらにメロディアスになるという10ccだからこそ成立するポップ『Baron Samedi』には脱帽ですし、『The Sacro-lliac』、『Oh Effendi』と続く強力なポップ・ナンバーからラストの『Waterfall』という哀愁が半端ないナンバーへという流れも聴くたびに別世界に連れて行かれます。

一般的には『I’m Not In Love』という至極の名曲を収録した『Original Soundtrack』が代表作でしょうが、バンドが自信を持ってお勧めする『Sheet Music』、さすがです!

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[ 2013/12/10 09:00 ] ロック #~D 10cc | TB(0) | CM(0)

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